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東アフリカ大旱魃(ひがしアフリカだいかんばつ)は2011年から(FAOによれば2010年から〔)2012年まで東アフリカを襲った大規模な旱魃。「過去60年間で最悪」とも言われており〔、ソマリア、エチオピア、ケニアが影響を受け、食糧不足により1200万人以上が生活を脅かされている〔''The Guardian'' (UK), News > Global development, Supported by Bill & Melinda Gates Foundation, Horn of Africa drought: interactive map , Paddy Allen, Source: OCHA, 2 August 2011.〕。旱魃がひどい地域と食糧危機が発生している地域は必ずしも重ならない。飢饉の被害は内戦が激しい南部ソマリアが特にひどく、住民の多くは隣国のケニアとエチオピアに逃れているが、人口密度の高さ、不衛生、栄養失調により、多くの人が命を失っている〔。この3国以外にも、近隣のジブチ、スーダン、南スーダン、及びウガンダの一部も食糧危機の影響を受けている。 2011年7月20日、国連はソマリア南部の2地域で飢饉が起こっていることを公式に宣言した。これはここ30年間で初めてのことである。この宣言が出た時点で、ソマリア南部では数万人の死者が出ていると考えられている〔。8月3日、国連は新たにソマリア南部の3地域に対して飢饉の発生を宣言し、状況の悪化と支援の不足を訴えた。さらに、続く4 - 6週の間に、南部地域すべてに広がるだろうとも予測した。国連は、さまざまな手段で必需品を輸送したが、国際的な協力が得られないことによる資金不足、被災地域の紛争などにより、不十分となっている〔。ケニア赤十字のアバス・ガレットは2011年6月に「例え2011年3月から5月に来るはずだった雨季が遅れて始まったとしても、農民の帰還は間に合わず、農耕が再開されるのは2012年7月 - 8月の雨季を待たなければならないだろう。我々は、それまでの期間の援助が必要と考えている」と語っている〔Horn of Africa will need humanitarian aid 'until August 2012' , Telegraph (UK), with video (30 second commercial at beginning, 1:07 news broadcast), 25 Aug 2011. Kenya Red Cross Society Secretary General, Abbas Gullet is quoted as stating: "Even if they are good rains in March, people will plant with the rains and will only harvest around July-August next year: so we are looking at assisting people between now and that time of July next year."〕。 2011年11月中旬になって国連は、ソマリア南部の、、が飢饉状態を脱したが、首都モガディシュなどではいまだ飢饉が続いており、この対策費として来年10億ドルが必要であると発表している〔BBC Somali famine zones downgraded by UN 、2011年11月18日付、2011年11月23日閲覧〕。 2012年2月2日、国連はこの飢饉に対し、正式な終息宣言を出した。ただし危機を解消するためには引き続き支援が必要だという意見もある〔 〕。 ==旱魃と飢饉の原因== 太平洋で生じたラニーニャ現象などの影響で、東アフリカ地域では2年連続で降雨不足となった。ケニアとエチオピアでは2011年、ソマリアでは2010年から2011年にかけて、雨季にまとまった雨が降らなかった〔。多くの地域で、4月から6月の雨季の降水量は、1995年から2010年の平均の30%未満だった。このため、作物の収穫不足、家畜の発育不足が、地域によっては40から60%以上発生した。家畜から取れるミルクの量も減少した。これにより、穀物の価格が上昇する一方で、家畜の価格と労働賃金が大きく下落し、地域の総購買力が減少した〔。また、ソマリア南部では数年前からイスラーム武装勢力アル・シャバブとソマリア暫定連邦政府が戦闘状態にあり、特にアル・シャバブは国連の援助に政治的意図があると拒絶しているため、危機を促進させている〔。 アメリカ合衆国国際開発庁の長官は「サハラ以南の地域の気温上昇と乾燥が、地域社会の活性を失わせたことは間違いが無い」と、気候変動が大きな影響であると述べた〔。一方で、の2人の研究者は、ラニーニャ現象の影響は認められるものの、気候変動に直接影響を与えたかはまだ定かではないとしている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「東アフリカ大旱魃 (2011年)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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